特別講義ー未来のデザインー 動画の伝える力

2017.7.3 第11回の講師の方は中村寛治さんです。

本日の講義内での事例紹介、学びと自分なりの考えを以下にまとめました。

 

中村寛治 / Kanji Nakamura

- ヒューマンセントリックス 代表取締役

動画の情報量や説得力などの可能性を感じ、企業向けのプレゼン等の資料として動画を制作する会社を2004年に立ち上げる。また、今までにはなかった B to B 向けのテレビコマーシャル BMを制作する。映像制作会社としては、土日休み・徹夜なしのクリエーターが働きやすい環境の会社である。

 

ー事例紹介

・「基本的な説明は紙より動画の方が伝わる」:ヒューマンセントリックスは企業向け動画の企画・制作のプロ集団。日本では草分け的存在で、日本トップクラスのビジネスを誇る。

・デザインについて:デザインに関わる人は多種多様。デザインをお金に換えるのが仕事。「未来を創る」とは自分たちが面白いと思い、お客様が価値観を感じるものは確実に未来を創る。

・消費者向けのCMは芸能人を用いたものが多いが、本来のサービスや商品をデザインの力で伝えることが誠実であり、本来の姿である。

・Human Centrix:人・中心「人が持っている本来の輝きを発揮する場」ワクワクし自身のエンジンを回転させる場である。

・従来のように一つのプロジェクトをやるために集まったチームではなく、同じメンバーと一緒に次々とこなし成長していくことを目指したので、映像制作会社としては珍しく社員の多い会社となった。

・会社を立ち上げたきっかけは、人がワクワクしているの見て動画制作にシフトしたことである。50万円台(画期的)の動画を請け負うことで、企業もプレゼン動画を気軽に作れるようになった。

・形のないものを作る:形のないもの作るときは、直接お客さんと話さないと何を作りたいのか見えてこないので、お客さんとコストも含めよく話すことが大切である。

・面白いものや新しいものは、とにかく理屈より笑われたって体を動かして作ってしまうことが一番である。また、現場を体験することで、クリエーターは成長しできることが増えるため、それに伴ってビジネスも拡大する。

・2012年より CMビジネス開始。「CM の CM 」を作り放送。内容はBM(ビジネスメッセージ)で B to B 向けの CM がほとんどないため着手した。主に日経(テレ東・BSジャパン)で放送し、現在では100本以上になった。自社で直接作り、下請けには出さないのがヒューマンセントリックスのスタイル。

・動画制作について:1.目的があって手段(表現・デザイン)がある。どこで→何を→どう伝える→どう使う のプロセスが大切である。 2.安価で手に入る素材の活用する。素材をどう意味のあるものに組み合わせるかで実際に撮影しなくても良い動画は作れる。お客さんにとって分かりやすい・使いやすいのが目的であって、技術はあくまで手段である。 3.バイラル動画とはインパクトがあって拡散しやすい動画である。クリエーターの自由が前提であり、面白いものを作りたいなら、いいかどうかわかんないけど作ってしまえのチャレンジが大切である。また、お客さんとの信頼関係があって成り立つものである。 4.コンテンツに付加価値を付ける。アイディアや編集技術、遊び心で一手間、二手間かけることでより喜ばれる動画になる。

 

ー講義からの学びと気づき

「クリエーターは追い込まれると発想が小さくなり、良いモノを作れなくなってしまう。クリエーターにとって自由は大切でありストレスのある仕事は良くない。ワクワクして取り組めないのは良くない。」

今までクリエーターは楽しいこともあるけれど苦しいからこそものが出来るという考えが多いように感じていました。それが正しいのかどうか分からずにいましたが、そうやってつくられたものが人を幸せにするのだろうかと思っていました。今回の講義を受けて、そうじゃないんだと気づくことができました。もちろん仕事である以上大変なこともあるし、お金をもらってやるからにはそれに見合う出来のものを作らなくてはなりません。しかし、仕事をする人にも守られるべきものや尊重されるべきものがあります。より良いモノを作るために環境やモチベーションを上げるための工夫の大切さが良く分かりました。

「コスト意識が大切」 会社としてやっていくうえでコストや利益は重要なことです。営業職がお客さんを誘導して予算や企画内容をきちんと決めることで、整理された情報がクリエーターに伝わり、お客さんに振り回されたり、やり直す負担を減らすことができます。

初めに直接話を聞くことが大切であるとありましたが、クリエーターが仕事に集中できるようにするためにこれはすごく良いことだなと思いました。本人が直接聞かなくてもしっかりと物は作れるんだと分かりました。

「3つの成功」:1お客さんの喜び・満足 2チームの達成感 3利益が出る(利益が出ないのは案件を安く請け負ったか、クリエーターがそれ以上にやってしまった場合)

 

本講義から動画制作だけではなく自分が働きたい会社を決めるための指針を得ることができました。

以上、中村寛治さんの講義まとめでした。ありがとうございました。