特別講義ー未来のデザインー デザインの未来の問い

2017.6.26 第10回の講師の方は山崎和彦先生です。

本日の講義内での事例紹介、学びと自分なりの考えを以下にまとめました。

 

山崎和彦 / Kazuhiko Yamazaki

- 千葉工業大学  先進工学部 知能メディア工学科、工学研究科 デザイン科学専攻 教授

  情報デザイン、プロダクトデザイン、ユーザーセンタードデザインが専門。

こちよい体験という視点より、プロダクト、インタフェース、Web、グラフィックなどの多様なデザイン分野を総合的に企画・デザインする。企業と協業しながら実践的なプロジェクトを推進する。 みらいの演奏、お祭り、親子の教材、感性照明、エコデザイン、遊具、カフェなど、みらいのデザイン(新しいデザイン領域)にも積極的に挑戦。

 

ー事例紹介

ポートフォリオ掲載作品、一例

ThinkPad、充電コード(IBMとの共作)

smile Project の webインターフェース(先生のお気に入りの作品)

PCのパッケージ:中に行くにつれ色に変化を付け開封していくドキドキ感を演出。

PCのマニュアル:色で分け専門的言葉に頼らず、どのマニュアルなのか分かる。

ノートPC用インプットデバイス

企業のコンサルティングやプロトタイプ制作:これからのデジタルの活用について

インタラクティブな洗面化粧台

リビングにおけるプロジェクションテレビ:テレビではないコンテンツを見られる

英語を学ぶデバイス:断片的に学んでいたものを一つにまとめ学習効率を上げる

インタラクティブ照明

ガスの使用量をワイヤレスで会社に伝える

Stainle Zoo:ステンレスを使用した動物型のアクセサリー

 

・未来のデザイナーになるための模索

1.大学での新しい学び

・知能メディア工学:コース分けがなくプログラミング、デザイン、人工知能すべてを学ぶ学科。課題で提案をして実装したり、美しい形や色を学ぶための講義を組む。

2.めのスタートアップ

・植物とIoT ・スタートアップ :IT と IoT でより良い植物との関わりを作るサービス。メンバー全員でプランターやセンサーを作って実際に植物を育てる。また、モニターに使用してもらいデータを収集し改良を進める。

3.おとなの学びの支援

・Xデザイン学校 ・新しいデザイン学校・学び続けるためのデザイン・スタートアップ:デザインを知らない人や学んだけれど役に立つことをもう一度学びたい人のために学校を立ち上げ支援する。

4.シニアの学び

・熱中小学校 ・廃校の活用 ・大人の学びをデザ:今までに自分が作ったもので思い出に残っているものをペーパープロトタイプで再現する。活動内容をデジタルでまとめ公開。現在、全国8か所で開催。

5.VIVITA

・子供のスタートアップを支援:子どもの未来は子供が作るという考えのもと、子供が思いついた固定観念にとらわれない面白い発想を技術的に支援する。

6.SUSANOO

・大人のスタートアップを支援する:地域や社旗に貢献する「ソーシャルスタートアップ」を支援するため、社会に役立つリアルな学びを提供する。

 

ー講義からの学びと気づき

時代は変わりつつある。未来のデザインも今とはまた違うであろ。未来のデザイナーになるためには、自分自身が一歩外に出て経験することである。また、新しいことを始めるためには、自分の知らないフィールドや違う対極にある世界に行くことで外から見えてくる。1つの基準ではなく2つの視点からモノゴトを見ること。

「人は 思い出 = 大事な経験 が大切である。」

現在の社会はめまぐるしく変化し、デザインも大きく変わり領域を広げています。その中で生き残っていくためにはどんどん新しいことを学ばなくてはなりません。しかし、やみくもに知識を入れていくのではなく、自分から動いてモノを作ったり考え出すことが大切だと思いました。大変なこともたくさんあるけれど自分自身が楽しみながらできるといいなと思います。

 

山崎先生には学部時代から講義をしていただいていますが、今回の講義で先生の活動や考えを詳しく聞くことができました。原点を聞くことができたのが良かったです。

「家が中古の家電を売っていたが、説明書がついていなかったため機械に興味のあった山崎先生が使い方をお客さんに教えていた。 その時からモノを見るとなぜその形なのか意味を考えていた。」これが山崎先生の原点です。後に自分で形やボタンの位置を作りたいと思ったことがデザインだと分かりデザイナーになりました。

以上、山崎和彦先生の講義まとめでした。ありがとうございました。