特別講義ー未来のデザインー 挑発と抑制

2017.5.29第6回の講師の方は黒川雅之さんです。

本日の講義内での事例紹介、学びと自分なりの考えを以下にまとめました。

 

黒川雅之 / Masayuki Kurokawa

-建築家、プロダクトデザイナー

名古屋工業大学早稲田大学理工科大学院、博士課程を修了。デザイントープを運営。2007年4月、株式会社Kを設立。「創作の場としての黒川雅之建築設計事務所」と「情報システムとしてのデザイントープ」と「交流と研究の場としての物学研究会」と「製造と販売の場としての株式会社K」の4つの組織からなるKシステムをつくり、精力的に活動。金沢美術工芸大学において芸術博士学位取得。復旦大学上海視覚芸術学院客員教授

 

ー事例紹介

以下に紹介して頂いた事例をまとめました。

・See House ‘‘その土地のもつ文化を継承する’’ 「VERNACULAL + 原風景」

 大地から削り出し空のかけらをあわせた、その土地に生える建築をつくる。

・Tianjin Villa ‘‘天地人の思想を継承する「中国文化への恋文」’’

 床を大地とし、壁を漆喰で白く美しく作る。インテリアに中国文化を取り入れる。

・Water Bar ‘‘発掘した建築と実像と虚像の二重性’’

 ヤオトンは中に埋め込まれた建築を地上に建てた、建築の原風景である。昼夜と照明により虚実との同時存在を演出。

・Cyber Studio ‘‘創造的な空間を作るー自由と挑発’’

 照明と家具により広々とした空間を作る。→フレームにモノを入れるのは西洋的

・Book Cafe ‘‘天空に消える建築・虚実の同時性’’

 外壁に空と地面しか映らない、詩を謳う建築。

・MANDALA ‘‘挑発し抑制する物のデザインの原型・原像’’

 

ー講義からの学びと気づき

「モノ・ヒトが発する空間性を敏感にとらえること」

近代では分割して仕事をするようになり、様々な問題が起こるようになった。そこで今一度、建築の意味を拡大してとらえるようにする。建築とは、空間を捉えるものであるがプロダクトも同じであり、形としてではなく空間としてとらえることが大切である。

心の内なる世界(問題)から考えることがたりない、心の中には変わらずある。人間の社会においてものとは?生活者は何を求め、何に感動するのか?そこにあるものが与えるプレッシャーとびを考える。

私はプロダクトを考えるときに形から入っていました。しかし、このお話を聞いてプロダクトを使うのはヒトでありそこには動きと空間が伴うものっだと改めて理解しました。そして、モノには必ず使われていない瞬間があり、その姿が美しいことの重要性に改めて気づきました。追、ユーザーの使いやすさや機能を追い求め忘れがちになってしまいますが、形が持つ美の強さや影響力をよく考えてデザインしたいと思いました。

「自分は○○を作りたいんだ!」 願望・希望という人の生々しさを大切に

状況はゼロでも考えることはできる。直感で見つけたものを、後から考え説明することで新しいものを生み出す。デザインという近い距離から願望と離れ遠い位置にある思想をよく考えること。底に人間の本性と挑発と抑制がある。

自分が勉強して自分の思想にしたものや思い、感動からモノゴトを考えデザインすることの大切さと難しさを学びました。これは一朝一夕で身につくものではないため日々の努力と積み重ねが大切だ実感しました。

「挑発ー抑制」

・挑発とは口説くより誘惑しろ! お金のためにデザインするのではなく良いデザインをすること。 仕向けることが大切である。

・抑制とはシンプルなデザインをせよ!できる限りデザインしない。深い感動や原風景を自分の意志でデザインしないこと。

この講義で一番印象が強かった言葉です。挑発とはもっと攻撃的なイメージがありましたが、「誘惑をする」という考えにひかれました。まだ、この挑発と抑制の本質をよく理解できていませんが、黒川さんの著書を読み勉強し自分の思想にしたいと思います。

 

以上、黒川雅之さんの講義まとめでした。ありがとうございました。