特別講義ー未来のデザインー 家具とデザイン

2017.4.24 第2回の講師の方は深田新さんです。

本日の講義内での事例紹介、学びと自分なりの考えを以下にまとめました。

 

 深田新 / Arata Fukada

-家具デザイナー

・来歴:

 1955年鳥取県生まれ
 ’75年鳥取県立米子東高等学校卒業
 ’81年京都工芸繊維大学工芸学部 意匠工芸学 科卒業
 ’84年大学院修士課程修了修了 工学修士
 ’84-85年走泥社同人熊倉順吉氏に師事
 ’87年西伯町絹屋生家の離れに築窯
   米子工芸会設立に参加
   県立米子南高等学校美術非常勤講師
 ’89年株式会社IDEE 入社
 ’91年-99年 株式会社IDEE 取締役・企画開発部長デザインマネージャー
 ’10年-11年 良品計画企画デザイン室に出向、IDEEデザインを兼務
 ’13 年4月 株式会社IDEE 企画営業事業部デザインマネージャー(インハウス)
 主に定番家具、小物から特注家具デザイン及びそれらの監修に携わる。 

 

ー事例紹介

IDEEとは?

仏語で理念を指す言葉。生活の探求や趣味の冒険を会社の基礎とする。他にはない面白いものを生み出す。理屈ではなく、いいじゃんこれのもと発想が他企業と違うように制約の中でどれだけ遊べるかを大切にしている会社です。数ある製品の中から深田さんが紹介して下さったものを以下に抜粋でまとめます。

深田さんは、旧京都ホテルや著名人宅の家具デザインを手掛けています。初期の活動は

・IDEEは曲木の椅子を日本で初めて普及させた。

アール・デコの復刻作品

等があり、次の時代を作っていくためにはマーケティング(今)だけではなくどういう新しい世界を作るか、どうやったら人の心を揺さぶれるのかを考えなくていけないとのことでした。

・2006年以降は良品計画の傘下になり再始動。この時、JMMという高度成長期の思い   や技術を現代のライフスタイルに合わせて復刻させるプロジェクトに取り組む。

・IDEE復帰後は、柳宗理のランプシェードの量産化、有名作品の復刻に取り組む。

・現在は国産の間伐材を使った製品の開発を行う。今の日本は、森林や間伐材の問題が ありその解決のいったんとして地産地消で木材を使い椅子をデザインしている。

津波の塩害にあった木材を使用し、みんなの記憶に残る椅子を制作する。

・もの八分目:使い切る、寿命が来るまで大切に、愛着等をコンセプトにものを作る。

このような活動のなかで、社会問題に取り組みながら手で作ることを大切にデザインを手掛けている。

 

ー講義からの学びと気づき

講義の最後にデザイナーになる人が持つべき視点について教えて頂きました。

・社会的に問題になっていることに光を当てよ

・手で考えろ、素材に向き合い手を動かして考えるように 手の先にあるのが道具であり見誤ってはいけない

・水も空気も人も澱んでしまうとダメになる

・誰もが良いということにこだわらない

・思ったことは言い、集中して判断は早く形式に乗らず、本質を失わない

これら多くの教えのなかで私が最も心に残ったのは

「自分が作るものに思いをもってどれだけ集中してできるかが大切。」

という言葉です。制作に取り組んでいる間に様々な考えがよぎります。しかし、誰かに見られることを気にして自分の作るものの本質をおざなりにし、真剣に向き合えなくては本末転倒です。それではどんなに良いアイディアでも最後の何かが足りないものになってしまうのだはないかと気づくことができました。こっれからは、人の意見をよく聞き取り入れることは大切ですが、自分の思いを失ってしまわないようにしたいです。そのためにも、自分の考えを明確にする力を身に着け、恐れずにデザインに向き合うよう心掛けたいと思います。

また、「シチュエーションにあわせて自分の攻める角度を変えていく。」というのも印象に残りました。今の自分は知識の引き出しも少なく、経験も少ないためなかなかうまくはいきませんが、自分の得意なスタイルを確立しつつ、どんな問題にも新しい切り口で臨めるデザイナーになりたいと思いました。

 

以上、深田新さんの講義まとめでした。ありがとうございました。